月の満ち欠け

映画のCMを見て感じていたこの作品のストーリーは、妻子を事故で失った夫が知ることになる娘の秘密。そう思っていたが、小説は、そう単純ではなかった。確かに娘の秘密なのだが。
物語の柱となる〈瑠璃〉は「月の満ち欠けのように死にたい」と言った。それはあまりにも苦しく、本当にそれで良いの?と尋ねたくなる。無意味と感じるか、純愛だと感じるか…。
中盤は、現在と過去が交錯するので注意深く読まなければならない。2017年直木賞受賞作。