八日目の蝉

不倫相手の、その妻との間に生まれた赤ん坊を誘拐し、3年半にわたり育てる女の話。
1章は逃亡生活。2章では誘拐された子が大学生となってからの生活(心情)を描いている。
息苦しさを感じながら読み進めた。逃亡生活は、当たり前だけど苦しい。ハラハラする。
親元に戻された子も、また幸せではない毎日を過ごす。更に重苦しさを感じる。
他の作品でも思ったのだが、角田光代は、あまり幸せではない女性の心情を描くのが上手い。
読後は切なく苦しい余韻が残った。