蜜蜂と遠雷

恩田 陸著 幻冬舎

2005年受賞の「夜のピクニック」では若者の心情をとても瑞々しく描かれていた。今回はピアノコンクールをテーマにした作品である。緊張感や臨場感、そして嫉妬心やライバル心などが、どう表現されるのかと期待しながらページを繰り、読み進めました。

流石は恩田陸。もしかしてコンクールにエントリー経験があるのかと思うほどの表現力。読んでいる自分も観客の1人になったように、目の前の舞台に演奏者がいるかのように、心の中で「頑張れ。ミスしないで。」と念じる。頭の中が緊張感でキュッと熱を持つ。小説を読んで音楽に浸れます。読了後。さて、とYouTubeを開き、本の中で聴いた曲を実際に耳で確かめたい。そんな気持ちになる。直木賞とのダブル受賞作品。